廃材の受け入れ・回収からリサイクルまで

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バイオマス資源、という言葉が定着して久しいと思われます。動植物から生まれた再利用可能な有機性の資源、がバイオマス資源でありますが、その中でも木材資源は人類が古くから身近にあって活用してきた材料です。日本は世界でも有数の森林国家(国土の7割近くが森林面積を占める)であるため、木の国ニッポンともいわれる程、木材を利用することが普通に行われてきた歴史があります。しかしながら、近代化してきた日本において、特に戦後の急発展の時代には旺盛な需要拡大の為に乱伐ともいえる森林伐採が行われた一方で、「燃える・弱い・腐る」材木に代わる鉄鋼・非鉄金属・化石原料由来の樹脂(プラスチック類)の利用が急拡大し、木材は古い材料の代名詞、林業/木材産業は斜陽産業となり果てました。
特に林業は、人間の活動寿命を超える時間サイクルで投資(植林)―管理(手入れ・間伐)―収益実現(伐採・製材・販売)が行われるために、スピードが勝負の時代には非常に効率の悪い産業、魅力のない産業となってしまい、多くが林業を受継ぐ事が出来なくなった結果、日本の山林は荒廃(手入れも間伐もされない放置山林)化しました。

一方、21世紀になって既に20年以上がたった現代、地球環境問題が宗教や人種、社会体制や国家の枠を超え、人類にとって最重要であることが世界の常識となり、SDGsが定められ、ESG投資といった動きが活性化しています。そして持続可能な社会を形成していくための1つの手段として、バイオマス資源利用が注目を浴びるようになりました。その代表である木材資源を如何に上手く活用するのか、他の材料から戻すという単純な事だけでなくどのような合成利用(ハイブリット活用)ができるのか、多くの人々が世界で動いています。その中で木材を供給する林業の重要性に注目が集まるようになりました。

当社は、代々山林業を営み、私が6代目とされています。しかしながら既述のように、林業が斜陽産業となっていった時代、祖父と父が非常に苦しい状況の中で代々の山林を保持しつつ、木材資源の有効活用であるパーティクルボード業(日本ノボパン工業)を立ち上げました。ノボパン社の原料は、当初の製材や合板の廃材由来のチップから、都市における廃棄物である建築解体材由来のチップに転換していったために、当社はその原料チップを供給するために産業廃棄物処理施設を運営しています。
当社の特徴は、木材の川上である山林業を維持しつつ、木材資源のマテリアル利用の受け皿であるパーティクルボード業を持ち、そして木材のリサイクル事業としてチップ工場(産業廃棄物施設)を運営し、木材の川上~川下全体を事業として俯瞰できることです。それは、木材の非常に大切な役割・機能である、CO2の固定化を当社の事業活動を通じて極力延長させて、山林育成におけるCO2吸収を増大し、結果としてCO2削減に実際に貢献していくことだと思います。

これからも世界はますます多様化と高速化し、豊かになると同時に解決すべき問題も顕著化していくことと思います。その1つが環境問題への取り組みでありCO2削減の実行でありますが、当社はグループとして約1,590haの所有山林、年間約30万トンの木材の再生事業(パーティクルボード事業)、リサイクルの実際の現場(産業廃棄物処理業)の運営を通じて、少しでもこの問題解決に貢献して参りたいと思います。